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法人決算を自分でやる方法。税理士なしで使っているソフトと、できないこと

税理士を付けずに、法人の決算も申告も自分でやっています。何ができて、何が無理か 経理と税金

羊社長です。このブログでは毎回、記事の最後に「実際の判断は顧問の税理士にご確認ください」と書いています。

私自身は、税理士を付けていません。

矛盾しているようですが、していません。読者に勧める話と、自分がやっている話は別だからです。今日はその「自分がやっている話」を書きます。

▶︎ 動画でも話しています:ひとり社長の経理を月イチで回す手順

5分で全部話しています。音だけでも分かります。

何を自分でやっているか

やっていること 使っているもの
日々の記帳・仕訳 弥生会計 Next
給与計算・源泉徴収 弥生給与 Next
証憑の保存(電子帳簿保存法) 弥生証憑 Next
法人税の申告書(別表) 全力法人税
消費税・地方税の申告 e-Tax/eLTAX

決算も申告も、自分で出しています。

使っているもの

📦 弥生給与 Next を見る

結論から言うと、大半はできます

クラウド会計が進化したおかげで、日常の記帳で困ることはほぼありません。

  • 銀行・カードの明細は自動で取り込まれます
  • 勘定科目も学習して自動で当ててきます
  • 決算書(貸借対照表・損益計算書)はボタンで出ます
  • 法人税の別表も、申告ソフトが計算します

経費をカードに寄せているので、そもそも現金取引がほとんどありません。カード明細がそのまま帳簿になります。これが一番大きいです。

⚠️ できないこと① 申告ソフトは「イレギュラー」に対応しません

ここが、自分でやると必ずぶつかる壁です。

私が使っている全力法人税は、別表四・別表五(一)・別表五(二)を出力できます。普通の申告なら、これで足ります。

ところが、こういうことが起きます。

実際にぶつかった例

源泉所得税の納付が1か月遅れて、不納付加算税5,500円を払いました。

加算税は損金不算入です。だから申告で足し戻す(加算する)必要があります。

  1. 別表五(二)の下段「その他」→「損金不算入のもの」に記載
  2. それを別表四「損金経理をした附帯税、加算金、延滞金及び過怠税」へ転記して加算

ところが、全力法人税には「別表五(二)下段のその他欄に、源泉所得税以外の租税公課を入力する機能」がありません。公式のマニュアルにそう書いてあります。

つまり出力してから手書きです。公式Q&Aにも「通常の申告を定型化しているため、修正申告等のイレギュラーな処理には対応しない」と明記されています。

金額にすれば、課税所得が5,500円増えて、法人税等が約1,600円増えるだけです。それでも、書かなければ申告が間違っています。

ソフトは「自分が何を入れ忘れているか」は教えてくれません。ここが自分でやることの本当のコストです。

⚠️ できないこと② 損金になるかどうかの判断

税金を払ったとき、それが経費(損金)になるかどうかは、種類で決まります。ここを間違えると申告がずれます。

損金になる(加算不要) 損金にならない(加算が必要)
印紙税(通常分)
自動車税・軽自動車税
固定資産税
法人事業税
消費税(税込経理の納付額)
社会保険料の延滞金
各種証明書の手数料
不納付加算税
過少申告加算税・無申告加算税・重加算税
延滞税(国税)
印紙税の過怠税
交通反則金
法人税・住民税の本体

紛らわしいのが「社会保険料の延滞金は損金になるが、国税の延滞税はならない」あたりです。同じ「延滞」でも扱いが違います。

私はこれを一覧にして、会計の作業メモに貼ってあります。毎回思い出そうとすると、必ずどこかで間違えます。

今日、自分のミスを見つけました

ちょうど今日、別の記事を書くために自分の会計を開いたら、こうなっていました。

クレジットカードの年会費 82,500円(本体75,000+消費税7,500)

会計ソフトでは
  仕訳A  諸会費 68,182 + 仮払消費税 6,818 = 75,000
  仕訳B  租税公課 7,500

本体75,000円を「税込」として扱って中から6,818円を消費税として抜き、さらに別行の7,500円を「租税公課」として計上していました。同じ消費税を、2か所で間違えていました。

原因は、カード明細から機械的に仕訳を作っていたからです。「年会費 75,000円」と「消費税 7,500円」が別の取引として流れてきて、機械はそれぞれ自然に処理しました。

直しました

2本とも、まるごと取り消しました。法人側に入れ直してはいません。

このカードは個人名義です。年会費は個人のカードの費用なので、そもそも会社が負担する筋のものではありませんでした。カード明細を機械的に取り込んだときに、会社の経費として紛れ込んだだけです。

諸会費      −68,182
租税公課     −7,500
仮払消費税   −6,818 ← 仕入控除も同じだけ減ります
役員借入金   −82,500 ← 会社が個人から借りている扱いだった分

年会費そのものは個人事業(このブログ)の経費として計上します。カードがそのまま仕事の道具なので、こちらの方が筋が通ります。取り消して利益が75,682円増えたので、法人税は増えます。それでも、正しい形に戻した方がいいと考えました。

※ 取り消す前に、削除する仕訳の全項目を書き出して、そのまま取り込めば元に戻せるファイルを作ってから実行しています。帳簿を消すときは、これを先にやってください。

これが答えだと思います

自動化すると、仕訳は増えます。そしてミスも増えます。

税理士を付けていれば、決算のときに気づいてもらえたかもしれません。付けていないなら、自分で見つけるしかありません。

それでも、自分でやっている理由

  1. 数字が自分の頭に入ります。このブログで書いている実測値は、全部これがあるから出せます。人に任せていたら「だいたい」でしか書けません
  2. 気づくのが早いです。カードの還元率が落ちていることも、手数料の実質負担も、明細を毎月見ているから見つかりました
  3. 費用がかかりません。顧問料は月額で消えていきます

向いていない人は、はっきりしています

こういう方は、税理士を付けてください

  • 現金商売の方。カードに寄せられないと、記帳が一気に重くなります
  • 在庫がある方。棚卸と原価の管理が入ると、難易度が変わります
  • 調べるのが嫌いな方。ソフトは答えを教えてくれません。自分で調べる前提の道具です
  • 売上が伸びている方。そのうち税務調査が来ます。立ち会ってもらえる相手がいるかどうかは、大きな差です
  • 組織再編・事業承継・相続を控えている方。ここは独学の範囲を超えます

私は役員借入金が相続で問題になることを知ってから、「いつかは必要になる」と思っています。いま必要ないだけです。

無料で聞ける先があります

税理士を付けていなくても、判断材料は取れます。

先 内容
税務署の電話相談センター 匿名で聞けます。一般的な取扱いはその場で答えてくれます
税務署の面接相談(予約制) 具体的な事情を出して相談できます。無料
国税庁のタックスアンサー 一次情報。ブログの解説より、まずこちら

「個人名義のクレジットカードの年会費を、法人の経費にしてよいか」——こういう質問は、電話で即答してもらえるレベルです。

まとめ

  • 税理士を付けずに、法人の決算も申告も自分で出しています
  • 使っているのは弥生会計Next/弥生給与Next/弥生証憑Next/全力法人税/e-Tax・eLTAX
  • 経費をカードに寄せているので、カード明細がそのまま帳簿になります。これが一番効いています
  • ⚠️ 申告ソフトはイレギュラーに対応しません。加算税の別表五(二)は、出力してから手書きです
  • ⚠️ 損金になる税金・ならない税金は一覧にしてください。毎回思い出すと必ず間違えます
  • 🔴 今日、自分の仕訳ミスを見つけました。自動化すると仕訳もミスも増えます。付けていないなら、自分で見つけるしかありません
  • 向いていないのは現金商売・在庫あり・調べるのが嫌い・売上が伸びている・相続や事業承継が近い方です
  • 税務署の電話相談センターは無料で、匿名でも聞けます

羊社長は、いまのところ自分でやっています。ただ「一生やる」とは思っていません。

この記事は2026年9月時点の、私自身のやり方と経験です。使用しているソフトの仕様や税制は変わります。損金算入の可否は個々の事情で判断が分かれることもあります。私は税理士ではありませんので、一般的な考え方としてお読みください。実際の判断は、顧問の税理士または所轄の税務署にご確認ください。自分でやるかどうかは事業の規模と内容次第で、この記事は「自分でやることを勧めるもの」ではありません。

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