羊社長です。Claude Codeで経理を回している話の、具体例その3です。
今日は、一番肝が冷えた話を書きます。
結論から
帳簿の仕訳を全件チェックしたら、約1,000万円ぶんの二重計上が見つかりました。
決算の前に気づきました。そうでなければ、利益が1,000万円ずれた申告書を出していたことになります。
なぜ起きたか
原因は単純です。同じ月のデータを、2回取り込んでいました。
① 月初にカード明細を取り込む ② 月末に「今月ぶんを入れておこう」ともう一度取り込む → 同じ取引が2件ずつ帳簿に入る
会計ソフトは、止めてくれません。同じ日付・同じ金額・同じ摘要のデータでも、素直に2件登録します。
画面上は、まったく正常に見えます。
仕訳日記帳を開いても、ずらっと並んでいるだけ。スクロールしながら目で探して見つかる量ではありません。
どうやって見つけたか
やったことは、単純です。
「帳簿の仕訳を全件出して、 同じ日・同じ金額・同じ摘要のものが 2件以上ないか調べて」
画面で数えるのをやめて、全件取り出して機械的に突き合わせました。
これが大事なところです。「たぶん大丈夫」で見るのではなく、1件残らず数える。人間には無理ですが、機械はやります。
⚠️ ただし、ここで最初に失敗しました
レシートのときと、まったく同じ間違いをしました。
「同じ日・同じ金額・同じ摘要」を、全部まとめて1件に減らそうとしたのです。
これをやると、正常な取引まで消えます。
- 同じ日に、同じ店で、同じ金額の買い物を2回した
- 通信料が、回線ごとに同額で2本
- 少額の決済が、同じ日に何件も
「重複を消す」のではなく「何件あるべきかを数える」に変えました。
元のデータに2件あるなら、帳簿にも2件あるのが正解です。
元に1件しかないのに帳簿に2件あるなら、それが二重計上。「同じ行が何件あるか」を両側で数えて、差を見ます。
削除するときに決めたルール
1,000万円ぶんを消すわけですから、間違えたら取り返しがつきません。こう決めました。
- 消す前に、消す予定のものを全部書き出す(日付・科目・金額・摘要の全項目)
- そのまま取り込めば元に戻るファイルを作っておく
- 一度に全部消さない。10〜20件ずつ
- 消したあと、合計金額を確認する
1と2をやっておけば、間違えても戻せます。これを決めていなかったら、たぶん手をつけられませんでした。
その後、同じ種類の事故を2回止めました
この一件でルールができたので、そのあと見つかったものもあります。
| 見つかったもの | 金額 |
|---|---|
| 交通系ICカードの履歴80件と、請求書カード払い2件が二重に入っていた | 約18万円 |
| 同じ請求月のファイルを全部足して集計していた | 83万円 |
どれも「見れば分かる」ものではありませんでした。数えたから出てきました。
これは自動化の話ではありません
誤解されたくないので書いておきます。
二重計上を作ったのは、自動化ではありません。私です。「念のためもう一度入れておこう」という、普通の操作でした。
むしろ、手で入力していた時代の方が、量が少ないぶん気づきやすかったとも言えます。
データを入れる仕組みを作ったら、同時に「おかしくなっていないか確かめる仕組み」も作る。
入れる方だけ速くすると、間違いも同じ速さで増えます。チェックが追いつかなくなった時点で、自動化は危険な道具に変わります。
いまやっていること
- 取り込む前に、同じ期間のものが入っていないか確認する
- 取り込んだ後に、件数と合計を元データと突き合わせる
- 1か月ぶんは1ファイルにまとめる。追加で作らず、同じファイルを上書きする
- 決算の前に、もう一度全件チェックする
最後のは、税理士を付けていない以上、絶対に外せません。誰も見てくれないので、自分で見るしかありません。
同じやり方を、車でもやってみました。社用車14台の期限を一覧にして並べ替えたら「車検切れ」が2台出たのですが、これは誤報でした。元にした管理表が8か月前で止まっていたからです。仕訳とは逆に、「数えても、元データが古ければ嘘になる」という話です。
※【広告】私が使っている会計ソフトは弥生です。同じ全件チェックは、クラウド型会計ソフト マネーフォワード クラウド会計 でもデータを書き出せばできます。
まとめ
- 仕訳を全件チェックしたら、約1,000万円の二重計上が出てきました。決算前に気づきました
- 原因は同じ月のデータを2回取り込んだこと。会計ソフトは止めてくれません
- 🔴 画面では見つかりません。全件取り出して機械的に数えるしかありません
- 🔴 「同じに見えるものを消す」は間違いです。正常な取引まで消えます。「何件あるべきか」を数える
- 消す前に、戻せるファイルを作る。これを決めてから手をつけました
- ⚠️ 二重計上を作ったのは自動化ではなく、私自身の操作です
- 入れる仕組みを作ったら、確かめる仕組みも同時に作る。これが結論です
羊社長は、この一件で「速くすること」より「間違いに気づけること」の方が大事だと学びました。
この記事は2026年時点の、私自身に実際に起きたことです。会計ソフトの仕様や取り込みの挙動は製品によって異なります。帳簿データの削除は元に戻せない場合があるため、必ず控えを取ってから行ってください。決算・申告の処理については顧問の税理士、または所轄の税務署にご確認ください。



コメント