羊社長です。AIにパスワードを教えずにログインさせている話で、「管理する側は自分で作りました」と一行だけ書きました。そこを書きます。
きっかけは、3つ重なりました
① ちょうど更新の時期だった
それまで1Passwordを使っていました。更新の案内が来たタイミングで、「これ、作れないかな」と思ったのが最初です。
② Androidでは、自分には合わなかった
誤解のないように書くと、iPhoneとMacでは本当に使いやすかったです。文句はありません。
ただ、私はAndroidも使います。そちらでの使い勝手が、自分には合いませんでした。同じものを全部の端末で同じように使いたいというのが、意外と大きな要求でした。
③ 銀行の「3つの枠」が埋まらない
これが一番の理由です。
ChromeやSafariにも、パスワードを覚える機能があります。ただ、あれは「IDとパスワードの2つ」を前提に作られています。
ふつうのログイン ID + パスワード → 2つ 銀行のログイン 契約者番号 + ID + パスワード → 3つ
銀行は、枠が3つあることが珍しくありません。私の場合、ここがうまく埋まりませんでした。毎回どこかを手で打つことになります。
会社の口座を触るのは、月末と給与の前です。一番急いでいるときに、毎回ここで止まっていました。
決め手は「できますよ」の一言でした
作る前に、Claude Codeに聞きました。
「パスワードのアプリを作りたいんだけど、できる?」
「結構時間かかりますけど、できますよ」
この一言で始めました。「できません」なら諦めていましたし、「簡単です」なら逆に疑っていたと思います。「時間はかかるができる」という答えが、ちょうどよかったです。
実際にかかったのは1日でした。直しながらで1日、細かいところを足していったぶんを入れても3日くらいです。
何ができるようにしたか
・パスワードを保管する ・ログイン画面で、その画面に合う候補を出す ・押すと、枠に入る(3つでも4つでも) ・iPhoneからも、Macからも、Androidからも同じように使える ・小窓で前面に出しておける ・よく開くものを、上に持ってくる
「3つでも4つでも入る」。これがやりたかったことの9割です。
市販のものではできなかったこと
小窓で、前に出しておける
別の画面を操作しながら、パスワードだけ手元に残しておけます。画面を行ったり来たりしなくて済みます。
よく開くものを、自分で上に持ってこられる
毎日触るものは決まっています。自分の使う順に並べられるだけで、探す時間が消えます。
買ったものは、作った人の使い方に合わせることになります。自分で作ると、自分の使い方に合わせられる。不満があったというより、ここが大きかったです。
⚠️ 作り方は書きません
この記事に、作り方は書きません。
パスワードを扱うものは、作り方を中途半端に真似されると危ない分野です。「こう作れば大丈夫」と私が書いて、それを読んだ方が事故を起こしたら、取り返しがつきません。
この記事でお伝えしたいのは、作り方ではなく、「こういうものまで自分で作れる時代になった」ということだけです。
ひとつだけ、はっきり書いておきます。Claude Codeとなら作れる。これは確かです。
私は本職の技術者ではありません。それでも1日でできました。「作れるかどうか」は、もう問題ではなくなっています。
⚠️ それでも、作る前に考えてほしいこと
① 安全性の責任は、全部自分です
作っているときに、ひとつ感心したことがあります。
こちらが何も言う前に、「パスワードは暗号化して保存します」と向こうから言ってきました。
私は言っていません。素人が丸腰で作るのとは違う、というのはここです。自分が知らないことを、向こうが先に押さえてくれます。
ただし、それで「だから安全です」と言い切るつもりはありません。暗号化していることと、全体として安全であることは、別の話です。
専門の会社が作ったものと、自分が作ったものを、同じ水準だと思ってはいけません。私は手元に置くことを選びましたが、これが誰にとっても正解だとは思っていません。最後に責任を持つのは、作った私です。
② 壊れたら、自分で直すしかありません
この記事を書いている日に、まさに起きました。Chromeのバージョンが上がって、これまでの方法では動かなくなっていました。朝、ログインできずに原因を探すところから始まっています。
市販のサービスなら、向こうが直してくれます。自作は、自分で気づいて、自分で直します。
③ 「作れるから作る」が危ない領域があります
今回は、自分しか使わないものだから作りました。これが「社員全員に使わせるもの」だったら、作っていません。
作ってよかったか
よかったです。理由は3つあります。
| 毎月の支払いが1つ減った | 使い続けるかぎり払うものでした |
| 3つの枠が埋まるようになった | 一番急いでいるときに止まらなくなりました |
| 自分の使う順に並べられる | 毎日触るものなので、これが効きます |
ただし「市販のものをやめて自作しましょう」とは言いません。Claude Codeに月3万円台払っている私だから成り立っている話です。
結局は、手間とリスクのトレードオフです
作れることは分かりました。では、作るべきかどうか。ここは人によって答えが変わります。
| 市販のものを使う | 自分で作る | |
|---|---|---|
| お金 | 毎月・毎年かかり続ける | かからない |
| 手間 | ほぼゼロ | 作る時間+壊れたときに直す時間 |
| 直すのは | 向こうがやってくれる | 自分 |
| 安全の責任 | 相手と分け合える | 全部自分 |
| 使い勝手 | 作った人の使い方に合わせる | 自分の使い方に合わせられる |
お金を払う側に寄せれば、手間とリスクを人に預けられます。自分で作る側に寄せれば、お金は消えますが、手間とリスクは自分で持つことになります。
どちらが正解か、ではありません。自分がどちらを持てるかです。
私は、自分しか使わないものだから自作を選びました。これが社員全員に使わせるものなら、迷わず買っています。手間はともかく、リスクを他人に負わせることになるからです。
まとめ
- きっかけは3つ。更新の時期/Androidで合わなかった/銀行の「3つの枠」が埋まらない
- 🔴 一番は3つの枠。ブラウザの保存機能はIDとパスワードの2つ前提で、私の場合は埋まりませんでした
- 決め手は「結構時間かかりますけど、できますよ」の一言。やってみたら1日でした
- 市販でできなかったのは小窓で前に出す/よく使うものを上に持ってくること
- ⚠️ 🔴 作り方は書きません。中途半端に真似されると危ない分野です
- こちらが言う前に「暗号化して保存します」と向こうから言ってきました。素人が丸腰で作るのとは違います
- ⚠️ ただし「暗号化している=安全」ではありません。安全性の責任は全部自分です。市販のものを使う方が安全な場合は普通にあります
- ⚠️ 自分しか使わないものだから作りました。社員に使わせるものなら作っていません
- 🔴 Claude Codeとなら作れます。これは確かです。残るのは手間とリスクのトレードオフだけです
- 🔴 お金を払えば手間とリスクを人に預けられます。自分で作ればお金は消えますが、全部自分で持ちます
羊社長が作ったのは、「自分の3つの枠が埋まるもの」でした。それだけのために、1日使いました。その1日と、これから自分で直し続ける手間を、払う気があるかどうかだと思います。
この記事は2026年10月時点の、私自身の経験と感想です。各サービスの使い勝手は使う環境や好みによって異なります。自作のツールを使う場合、その安全性と運用の責任はすべて自分にあります。パスワードや認証情報の管理は、事業の性質や扱う情報によって求められる水準が異なりますので、導入の判断はご自身の責任でお願いします。



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