羊社長です。今日はお金の話をします。あまり楽しい話ではありませんが、一番大事なところです。
私は会社の支払いを、自分名義のカードに寄せています。銀行振込しかできない支払いを、請求書カード払いサービスを通してカード決済に変えているからです。
当然、手数料がかかります。月に90万円ほど通していて、手数料は2.5%。
これが得なのか損なのか。自分の数字で計算してみます。
先に結論
ほとんどの方にとっては損です。得をするのは、2つの条件がそろった人だけ。
- 法人か個人事業主である(手数料が経費になる)
- 貯めたマイルを国際線ビジネスクラスに使う
どちらか一方でも欠けると、計算はマイナスに傾きます。理由をこれから書きます。
請求書カード払いとは
会社の支払いの多くは銀行振込です。家賃、外注費、仕入、社会保険料。これらは普通、カードでは払えません。
そこを埋めるサービスです。
① 振込用の請求書をサービスに登録する ② サービスが、こちらの名義で取引先に振り込む ③ こちらはサービスにカードで払う ④ 手数料を払う代わりに、支払いが最大60日延びる
本来の目的は資金繰りです。マイルはおまけ。この順番は大事なので、あとでもう一度書きます。
| サービス | 手数料 |
|---|---|
| INVOY | 3.0% |
| 支払い.com | 4.0% |
| INVOY(私の場合) | 2.5% |
表に出ている料率は標準です。利用額が大きくなると下がります。 私は2.5%になりました。0.5%の差でも、年1,000万円通せば5万円です。使う量が増えてきたら、一度確認してみるといいかもしれません。
私の実数字で計算します
| 年間(月90万円ペース) | 金額 |
|---|---|
| カードに通した金額 | 10,800,000円 |
| 手数料 2.5% | −270,000円 |
27万円。額面だけ見ると、なかなかの出費です。
ただ、ここから2つ戻ってきます。
① 消費税の仕入控除
手数料は課税仕入です。適格請求書が出るサービスなら、消費税分が控除できます。
270,000円 ×(10 ÷ 110)= 24,545円
② 法人税
手数料は「支払手数料」として損金になります。本体245,455円に実効税率30%として、
73,636円ぶん、法人税が減ります。
| 手数料の実質負担 | 金額 |
|---|---|
| 手数料(税込) | −270,000円 |
| 消費税の仕入控除 | +24,545円 |
| 法人税で戻るぶん | +73,636円 |
| 実質の負担 | −172,000円 |
表に出ている数字の、だいたい6割です。 率でいうと2.5%が1.6%になります。
※ 実効税率は会社の規模や所得で変わります。ご自身の顧問税理士さんにご確認ください。個人(給与所得者)の場合、手数料は経費になりません。
では、見返りはいくらか
JALカード(ショッピングマイル・プレミアム加入)なら、100円で1マイル。
1,080万円の決済で、108,000マイルです。
ここからが分かれ道になります。マイルは使い方で価値が3倍以上変わります。
| 108,000マイルの使い道 | 1マイル | 価値 |
|---|---|---|
| 商品交換・国内線エコノミー | 約1円 | 108,000円 |
| 国際線ビジネスクラス | 3〜5円 | 32〜54万円 |
| 差引 | エコノミー等 | ビジネスクラス |
|---|---|---|
| 手数料の実質負担 | −172,000円 | −172,000円 |
| マイルの価値 | +108,000円 | +320,000〜540,000円 |
| 結果 | −64,000円 | +148,000〜368,000円 |
同じ手数料を払っても、マイルの使い方ひとつで、年6万円の損にも、年37万円の得にもなります。
「請求書カード払いでマイルが貯まる」とだけ書いてある記事を見かけますが、使い道を決めずに始めると損をします。
おまけが、実はおまけではない
マイル以外に、もうひとつ貯まるものがあります。Life Statusポイントです。
JALカードの決済は、ショッピングマイル2,000マイルごとに5ポイント。108,000マイルなら——
108,000 ÷ 2,000 × 5 = 270 ポイント / 年
(INVOY経由の決済だけで)
JALグローバルクラブ(JGC)の到達ラインは1,500ポイントです。この積み上げは、使っても減りません。 生涯の実績として残ります。
JGCに入るための「修行」は40〜60万円かかるのが相場です。それが、経費を通しているだけで近づいていきます。
本来の目的を間違えないでください
ここまでマイルの話をしてきましたが、このサービスの本来の価値は資金繰りです。
支払いが最大60日延びる。これはお金が苦しい時期に効きます。手数料は、その延長料です。
資金繰りで困っていないのに、マイル目当てで手数料を払うのは、やめた方がいいと思います。 計算上はプラスでも、わざわざリスクを増やす必要はありません。
私の場合は、資金繰りのために始めて、あとからマイルの大きさに気づいた、という順番でした。
会計処理でつまずかないために
毎月の仕訳はこうなります。1件の支払いが2行になります。
借方 地代家賃・法定福利費・未払金 など(請求額) 借方 支払手数料(手数料ぶん・課税仕入10%) 貸方 役員借入金(請求額+手数料の合計)
個人カードで立て替えているので、貸方は役員借入金です。法人カードなら未払金になります。
気をつける点が2つあります。
- 適格請求書が出るか確認する。 出ないと消費税の控除が取れません。先ほどの計算が2万円ぶん狂います
- 二重計上に注意。 請求時に未払金を立てて、カード決済でまた費用にすると、同じ支払いを2回計上してしまいます。私も一度やりました
※【広告】通した支払いは、手数料と本体を分けて仕訳します。クラウド会計なら科目を足すだけです(クラウド型会計ソフト マネーフォワード クラウド会計)。
まとめ
- 請求書カード払いの手数料は2.5〜4%。利用額が大きいと下がる
- 法人なら、損金+消費税の控除で、実質は6割ほどになる
- マイルを国際線ビジネスクラスに使えば、年15〜37万円のプラス
- エコノミーや商品交換に使うなら、年6万円のマイナス
- Life Statusポイントも積み上がる(私の場合、INVOYだけで年270)
- 本来の目的は資金繰り。 マイルのためだけに始めるのは勧めません
次の記事では、この計算の前提になっているショッピングマイル・プレミアムについて書きます。年3,300円の追加費用ですが、入らないとすべての数字が半分になります。
羊社長は今日も、せっせと請求書を登録しています。地味な作業です。
この記事は2026年9月時点の情報です。手数料や制度は変わることがあります。税務の取り扱いは、顧問の税理士さんにご確認ください。



コメント