はじめまして、羊社長です。小さな会社をやっています。
名前のとおり、普段はのんびりしています。ただ、マイルのことだけは少し真面目に考えてきました。気がつけば、家族を連れて毎年どこかへ飛んでいます。
さて。会社を続けていると、どこかで一度は考えることがあります。経費の支払いに使うカードは、法人カードがいいのか、それとも社長個人のカードがいいのか。
私は個人カードにしました。年間で数千万円ぶんの経費を、自分名義のJALカードとアメックスで払っています。会社には役員借入金として記録して、あとで返してもらう形です。
その結果、この11月に両親も連れて7名でグアムへ行きます。全員ビジネスクラス、ホテルはウェスティン。予約はもう取れています。
| 2026年11月 グアム・7名(予約済み) | 使ったもの |
|---|---|
| 航空券(全員ビジネスクラス) | 約 300,000 マイル |
| ウェスティン グアム(全員分) | 約 250,000 ポイント |
| ラウンジ・朝食(プラチナエリート特典) | 無料 |
航空券もホテルも、現金は払っていません。会社の経費を自分のカードで立て替えていたら、こうなりました。
ちなみに一昨年もグアム(JALマイル)、去年もグアム(ユナイテッドのマイル)です。すっかりグアムばかりですが、家族で行きやすいので落ち着きました。
この記事では、なぜ個人カードにしたのか、会計ではどう処理しているのか、そしてこの方法が向いていないのはどういう人かを、できるだけ正直に書いてみます。
結論から
| 法人カード | 個人カード | |
|---|---|---|
| マイルが貯まる口座 | 社長個人のマイレージ口座 (原資は会社) |
社長個人 (原資も個人) |
| 私的利用 | グレー(役員賞与の議論が出る) | 問題なし |
| 会計処理 | 未払金 | 役員借入金 |
| 与信 | 会社の信用 | 個人の信用 |
| 経費精算 | 不要 | 必要(立替 → 返済) |
違いは実質ひとつです。マイルの原資を、誰が先に払ったか。
会社の決済で貯まったマイルを、社長が個人の旅行に使う。法人カードだと、ここが少し引っかかります。個人カードなら引っかかりません。
理由はわりと単純で、先にお金を出したのが社長個人だからです。
ここ、誤解されやすいので先に書きます
「法人カードのマイルは会社に貯まる」と思われがちですが、実際はそうなっていません。
私は法人名義のカードも持っています。その明細を見ると、こうなっています。
26/06/17 セゾンマイルクラブ ショッピングマイルプラン 2,990 26/07/17 セゾンマイルクラブ ショッピングマイルプラン 530 26/08/17 セゾンマイルクラブ ショッピングマイルプラン 420 26/09/17 セゾンマイルクラブ ショッピングマイルプラン 370
これは私個人のJALマイレージバンク口座の明細です。法人名義のカードで決済したぶんのマイルが、個人の口座に入っています。
カード会社の仕組み上、マイレージ口座は個人に紐づくので、こうなります。会社名義のマイル口座というものが、そもそも存在しないのです。
お金を出したのは会社。マイルが入るのは社長個人の口座。この「ねじれ」が、法人カードのグレーの正体です。
個人カードで立て替えれば、払ったのも個人、貯まるのも個人。ねじれがないので、そもそも議論になりません。私が個人カードにしているのは、この一点です。
個人カードで会社の経費を払う、その中身
やっていることは「立替」です。
① 社長個人のカードで、会社の経費を払う ② 会社は「役員借入金」として記録する (会社が社長にお金を借りている状態) ③ 後日、会社が社長に返す ④ マイルはカードの契約者、つまり社長個人に貯まる
社員が自腹で交通費を出して、あとで精算してもらう。あれと構造は同じです。金額が少し大きいだけですね。
会計の処理としても、これは教科書どおりの形になります。
これは税務上まずくないのか
よく聞かれます。結論としては、立替精算の範囲であれば、一般的には問題とされていないという理解です。
マイルはカードの契約に付いてくる特典で、その支払い義務を負っているのは個人です。自分のお金を先に出した人に特典が付く。自然な流れかなと思います。
ただ、ここは正直にお伝えしておきます。
- 国税庁が「マイルはこう扱う」と明確に示した通達はありません
- 金額が極端に大きい場合の扱いについては、議論の余地があります
- 顧問の税理士さんに、一度確認してみてください
私はここで「絶対に大丈夫です」と言い切るつもりはありません。ただ、法人カードで貯めたマイルを私的に使う方が、グレーはずっと濃い。それは言えると思っています。
ひとつだけ、気をつけていること
役員借入金を、返さないまま膨らませないこと。
会社が社長から借りている状態は、社長の側から見れば「会社への貸付金」になります。これは相続財産です。残高を何年も寝かせておくと、相続のときに少し厄介な資産として出てきます。
ときどき返してもらった方がよさそうです。私も決算のたびに、少しずつ整理しています。
法人カードの方がいい場合
とはいえ、個人カードがいつでも正解というわけでもありません。
- 経理を完全に分けたい — 立替精算が発生しないので、事務は圧倒的に楽です
- 従業員にもカードを持たせたい — 追加カードを配って、利用明細を会社で一元管理できます
- 個人の与信を使いたくない — 個人カードだと、住宅ローンなどの審査で利用残高が見られます
- マイルに興味がない — それならわざわざ立替にする理由がありません
私も法人カードは持っています(セゾンプラチナビジネスアメックス)。ただ、メインでは使っていません。理由は、ここまで書いたとおりです。
ただし、金額の多い少ないは月によって入れ替わります。1年分を並べるとこうです。
| 月 | 法人カード | 個人カード |
|---|---|---|
| 2025年12月 | 15,320 | 1,392 |
| 2026年1月 | 16,560 | 16,625 |
| 2026年2月 | 13,920 | 8,818 |
| 2026年3月 | 25,610 | 18,784 |
| 2026年4月 | 30,130 | 17,543 |
| 2026年9月 | 370 | 14,553 |
法人カードの方が多い月もあります。 「個人カードに寄せている」と言っても、実際には支払先の都合で決まる部分が大きいからです。
だからこそ、どちらのカードを使っても、マイルは同じ個人の口座に入ってしまうという点を、先に押さえておく必要があります。
どうやって経費をカードに寄せるのか
ここが実務の話です。
会社の支払いの多くは銀行振込です。家賃、外注費、仕入。これらは普通、カードでは払えません。
そこで使うのが請求書カード払いサービスです。
| サービス | 手数料 |
|---|---|
| INVOY | 3.0% |
| 支払い.com | 4.0% |
| INVOY(私の場合) | 2.5% |
振込用の請求書を登録すると、サービス側が代わりに振り込んでくれて、こちらはカードで払う。銀行振込しかできない支払いが、カード決済に変わります。
私がこの方法に切り替えたのも、これらのサービスが使えるようになったからでした。それまでは、そもそも選択肢がなかったんです。
あまり書かれていないこと:手数料は下がります
表に出ている手数料は、あくまで標準の料率です。月の利用額が大きくなると、下がります。
私はINVOYで2.5%になっています。0.5%の差ですが、月に数百万円動かしていれば年間で数万円。使う量が増えてきたら、一度見てみるといいかもしれません。
ここは正直に書きます。手数料の話
手数料2.5〜4%を払って、マイルの還元は1%です。単純計算だと負けます。
「マイルを貯めるために手数料を払おう」と書いているのを見かけることがありますが、多くの方にとっては、たぶん損になります。
では、なぜ私はやっているのか。理由が4つあります。
① 手数料は経費になる
手数料は「支払手数料」として損金になるので、法人税率のぶんは戻ってきます。消費税の仕入控除も取れます。
| 手数料の実質負担 | 率 |
|---|---|
| 手数料(私の場合) | −2.5% |
| 法人税で戻るぶん | +0.8% |
| 消費税の仕入控除 | +0.2% |
| 実質の負担 | −1.5% |
表に出ている数字の、だいたい6割です。 ここは法人でやっている方だけが受けられる部分だと思います。
なお仕入控除を取るには適格請求書が必要なので、請求書がきちんと出るサービスかどうかは見ておいた方が安心です。
② 本来の目的は資金繰り
支払いを最大60日ほど先送りできます。これが本来の価値で、マイルはおまけです。
この順番は、間違えない方がいいと思います。 資金繰りで困っていないのに手数料を払うのは、さすがにもったいないので。
③ Life Statusポイントが貯まる
JALカードの決済は、JALの上級会員ステータス(JGC)にそのままつながります。ここは話が長くなるので、別の記事にします。
④ そして、これが決定的です
マイルは、使い方によって価値が3倍以上変わります。
| 使い道 | 1マイルの価値 |
|---|---|
| 商品交換・国内線エコノミー | 約1円 |
| 国際線ビジネスクラス | 3〜5円 |
決済額の1%がマイルとして戻ってきて、それをビジネスクラスに使えば、実質3〜5%の還元になります。
| 私の場合 | 率 |
|---|---|
| 手数料 | −2.5% |
| 損金になるぶん(法人税率で戻る) | +0.8% |
| マイル(ビジネスクラスで使った場合) | +3〜5% |
| 差引 | +1.3〜3.3% |
7名全員ぶんのビジネスクラスを押さえられたのも、この使い方をしているからです。
手数料を払ってマイルを貯めるのが得なのは、国際線ビジネスクラスに使う人だけです。
逆に言えば、エコノミーにしか使わないなら、この表は一気にマイナスに傾きます。 そこは正直なところです。
国内線のエコノミーに使うつもりなら、あるいは商品に交換するつもりなら、手数料は払わない方がいい。私はそう思っています。
決済量が多い人だけがぶつかる壁
あまり書かれていないので、ここも残しておきます。
利用可能枠を使い切ると、止まります。
月に数百万円を決済していると、締め日の前に枠がいっぱいになることがあります。そこで効いてくるのが繰り上げ返済ができるかどうかでした。
私の場合は、こうなりました。
JALカード CLUB-Aゴールド(DC / VISA) → 枠がいっぱいになっても繰り上げ返済ができない → 締め日まで待つしかない JALカードSuica ゴールド(JCB) → 繰り上げ返済ができる(利用額の全額返済になるが) → 枠を空けて使い続けられる
そんなわけで、私はJALカードを2枚持っています。 還元率がいいからではなく、止まらないためです。
カードを選ぶときは、どうしても還元率ばかり比べてしまいます。ただ決済量が多いなら、枠と、繰り上げ返済ができるかどうかも見ておくと安心です。ここで詰まると、還元率どころの話ではなくなるので。
もうひとつの副産物:泊まらずにプラチナエリート
マイルの話ばかりしてきましたが、実はもうひとつ付いてくるものがあります。
私はマリオットボンヴォイのプラチナエリートです。ウェスティンのラウンジも朝食も、これで無料になります。
この資格、本来は年間50泊しないと取れません。私が今年ホテルに泊まったのは、2泊だけです。
JALカードで経費を払う → 飛ばずに JGC に近づく マリオットAMEXで経費を払う → 泊まらずに プラチナエリート
私はこの2枚を、そのために使い分けています。マリオット側の条件と実際の数字は、こちらの記事にまとめました。
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まとめ
- マイルが欲しいなら個人カードで立て替える。会計は役員借入金で処理する
- 立替精算の範囲なら一般的には問題ないけれど、税理士さんに一度確認を
- 役員借入金は寝かせない。相続財産になります
- 経理を分けたい/マイルに興味がないなら、法人カードの方が楽
- 請求書カード払いの手数料は、国際線ビジネスクラスに使う人が得をする仕組み
- 手数料は利用額が大きくなると下がる(私はINVOYで2.5%)
- 決済量が多いなら、繰り上げ返済ができるカードを1枚持っておくと安心
- マリオットAMEXなら、泊まらずにプラチナエリートも付いてくる(年500万円)
次の記事では、この方法で貯めたJALカードの決済が、飛ばずにJGC(JALグローバルクラブ)へ近づいていく仕組みを書きます。私はいまLife Statusポイントが700ほど。あと1年で到達する見込みです。
11月のグアムについても、どの便をどう押さえたのか、7名ぶんの特典席をどうやって揃えたのかを別の記事で書きます。正直なところ、ここが一番大変でした。帰ってきたら、搭乗記も書くつもりです。
長くなりました。ここまで読んでいただいて、ありがとうございます。
羊社長は今日もどこかで、会社の経費をせっせと立て替えています。11月のグアムを楽しみにしながら。
この記事は2026年9月時点の情報です。税務の取り扱いについては、顧問の税理士さんにご確認ください。


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